演劇プロデューサーのピーター・ダルースは妻を亡くしてから酒浸りになり、とうとう入院加療の身となった。とある晩、ピーターは「ここから逃げろ。殺人が起こる」という自分の声を聞いてパニックに陥る。幻聴か? その話を聞いた療養所のレンツ所長は、少し前から院内に不穏なことが続発している、評判にも関わるので調べてくれと頼む。探偵役を務めることは社会復帰に向けて効果的との判断だ。かくて内偵を始めたところが美女と恋に落ち、折しも降りかかった殺人事件の容疑から彼女を救うべく奔走するピーター。今や事件解決と二人の退院は、切っても切れない至上命題だ! 訳者あとがき=白須清美
パトリック・クェンティン
リチャード・ウィルスン・ウェッブ Richard Wilson Webb(1901年英国生まれ。1966/70年歿)とヒュー・キャリンガム・ウィーラー Hugh Callingham Wheeler(1912年英国生まれ。1987年歿)の共作ペンネーム。著書に『迷走パズル』『俳優パズル』『人形パズル』等がある。
白須清美
(シラスキヨミ )1969年山梨県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家。訳書にイネス「霧と雪」、クェンティン「迷走パズル」「俳優パズル」「人形パズル」「女郎蜘蛛」、バークリー「服用禁止」、ディクスン「かくして殺人へ」等がある。