大学を卒業し、AP 通信社の記者となったジョーは、ある日、自分と同じ名前の男の不審死を知らされる。死んだ男は、ジョーが生まれてすぐに姿を消した、顔も知らない実父かもしれない。ジョーは凶行の疑いがあるという事件に興味を抱いて現場の町へ向かい、多数の人々から恨まれていたその男の死の謎に挑むが。家族の秘密に直面する青年を情感豊かに描く『償いの雪が降る』続編。解説=若林踏
アレン・エスケンス
アメリカ、ミズーリ州出身。ミネソタ大学でジャーナリズムの学位を、ハムライン大学で法学の学位を取り、その後、ミネソタ州立大学マンケート校などで、創作を学ぶ。25年間、刑事専門の弁護士として働いてきたが、現在は引退している。デビュー作である『償いの雪が降る』は、バリー賞ペーパーバック部門最優秀賞など三冠を獲得し、エドガー賞、アンソニー賞、国際スリラー作家協会賞の各デビュー作部門でも最終候補となった。その他の著作に『たとえ天が墜ちようとも』、The Guise of Another (2015) 、The Deep Dark Descending(2017) 、The Shadows We Hide(2018) 、Nothing More Dangerous(2019) がある。
務台夏子
(ムタイナツコ )英米文学翻訳家。訳書にオコンネル『クリスマスに少女は還る』『愛おしい骨』、デュ・モーリア『鳥』、エスケンス『償いの雪が降る』『過ちの雨が止む』、スワンソン『そしてミランダを殺す』『8つの完璧な殺人』などがある。