母からは美貌と巨万の富を、父からは恐るべき殺人狂の血を受けついだキャロルは、嵐の夜、精神病院から脱走した。美女を追うギャングと殺し屋たちのまんじともえの争奪戦に、血と銃声の雨が降る。200万部を売った大ベストセラー『ミス・ブランディッシの蘭』の好評に気をよくしてハードボイルドの巨匠が贈る、皆殺しの歌!
ジェイムズ・ハドリー・チェイス
1906年生まれのイギリス人作家。完全なアメリカン・スラングと暗黒街の知識に彩られた第一作『ミス・ブランディッシの蘭』で登場。約60編の長編には、前記作品のようなギャングもの、『悪女イブ』などの悪女もの、『プレイボーイ・スパイ』に代表されるスパイ・アクション、といった具合に作風は幅広い。軽快なストーリー・テリングとひねりの利いた結末のドンデン返しで読者を離さない。1985年歿。