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ある秋の日、ゴルフ場の中の割れ目で、瀕死の重傷を負った男が一人発見された。男は「なぜエヴァンスに頼まなかった?」と謎めいた言葉をつぶやいて絶命してしまった。手がかりは、その懐中にあった女の写真だけだろうか? 自殺か、他殺か、事故死か? ゴルフ場を発端とする、クリスティ女史の面目躍如たるスリル満点の作品。
アガサ・クリスティ
イギリスの作家。1890年生まれ。1920年に『スタイルズ荘の怪事件』でデビューして以来、長編と短編集あわせて100冊を超す作品を発表した。巧妙な着想と錯綜したプロット構成に、独創的なトリックの加わった『アクロイド殺害事件』や『オリエント急行の殺人』『ABC殺人事件』といった多くの作品が、古典的名作としての評価を確立している。71年には長年の功績により、大英帝国勲章(DBE)を授与された。〈ミステリの女王〉たる彼女の創造した名探偵には、エルキュール・ポワロやミス・マープルなどがいる。76年没。