デイヴィッドは休暇がいやでたまらなかった。両親が死んで引き取られた大おじ一家が、なにかというと面倒をみてもらえることに感謝すべきだと言うのだ。ところがデイヴィッドがでたらめに唱えた呪いが効いたのか、地面が揺れ塀が崩れ……現れたのがルーク。ルークと知り合って、デイヴィッドの生活は一変。火事はおきるし、変なやつらがうろうろするし。ルークって何者? 少年の友情と冒険を描いた、英国児童文学の女王の初期傑作。本文挿絵=佐竹美保/訳者あとがき=大友香奈子
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を始めた。『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている。邦訳された作品には、他に『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』『バビロンまでは何マイル』『ダークホルムの闇の君』『うちの一階には鬼がいる!』(以上創元ブックランド)『詩人(うたびと)たちの旅』『聖なる島々へ』『呪文の織り手』『呪文の織り手』(以上創元推理文庫)、『魔法使いハウルと火の悪魔』『魔法使いはだれだ』(以上徳間書店)などがある。2011年歿。
大友香奈子
(オオトモカナコ )1965年、北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒。英米文学翻訳家。訳書に『ジェニーの肖像』ほか多数。