現代の女子大生と17世紀の石工を隔てるのは時間と空間の海……ギリシアの悲恋物語を、『ハザール事典』のパヴィチが、新しく不思議な物語に変容させた。この本は表紙が両面にあります。どちらからお読みになりますか?
ミロラド・パヴィチ
1929年10月15日ベオグラード生まれ。2009年11月30日同市で死去。セルビアの17?19世紀文学を専門とする文学研究者で、ノヴィサド大学およびベオグラード大学で教授をつとめた。『バロック期セルビア文学の歴史』は研究者としての代表作。詩が出発点である創作の分野では、本書の他に『風の裏側』『帝都最後の恋』など奇想の宝庫とも言うべき作品多数。
青木純子
(アオキジュンコ )1954年東京生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。訳書に、K・モートン『忘れられた花園』、M・パヴィチ『風の裏側』、L・ノーフォーク『ジョン・ランプリエールの辞書』、B・S・ジョンソン『老人ホーム』、G・アデア『閉じた本』、A・クルミー『ミスター・ミー』、K・アトキンソン『世界が終わるわけではなく』、M・レヴィツカ『おっぱいとトラクター』他。