どうやら人類は滅ぶらしい。最後の撤収便に乗らず、北極の天文台に残った老学者は、取り残された見知らぬ幼い少女とふたりきりの奇妙な同居生活を始める。一方、帰還途中だった木星探査船の乗組員サリーは、地球からの通信が途絶えて不安に駆られながらも航海を続ける。終末を迎える惑星の極北で、宇宙の孤独な大海で――きょうで世界が終わるなら、あなたは誰と過ごしたい? 『インターステラー』×『渚にて』のSF感動作。
リリー・ブルックス=ダルトン
バーモント州出身、オレゴン州ポートランド在住。10代の頃から世界を旅した経験を持ち、2015年4月、自伝的ノンフィクション Motorcycle I've Lovedで作家デビュー。同書はオレゴン・ブック・アワードの候補にもなった。小説デビュー作となる『世界の終わりの天文台』は、イーユン・リーやコルソン・ホワイトヘッドの賞賛を受けた。
佐田千織
(サダチオリ )関西大学文学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書に、ヌーヴェル《巨神計画》シリーズ、カヴァン『あなたは誰?』、『AIロボットSF傑作選 創られた心』(共訳)他多数。