18世紀に消えたヴィヴァルディの自筆楽譜がたどった運命を、綿密な研究調査により明らかにした、謎解きと冒険譚の魅力を併せ持つ傑作小説。音楽ファンのみならず、歴史小説ファンも大いにに楽しめる一冊。
フェデリーコ・マリア・サルデッリ
1963年イタリア、リヴォルノ生まれ。11歳で作曲を始め、12歳で風刺雑誌に漫画を寄稿するようになり、現在も同誌の看板作家として活躍。哲学を学んだ後、バロック音楽のオーケストラ、モード・アンティクオを創設、指揮者となる。フィレンツェの音楽アカデミーでリコーダーやフルートの指導にあたり、音楽学者、研究者としての業績に対する評価も高い。作曲家、指揮者、学者、画家、版画家、漫画家……等、その活躍の幅広さは、鬼才の名にふさわしい。
関口英子
(セキグチエイコ )イタリア文学翻訳家。大阪外国語大学イタリア語学科卒業。訳書に『月を見つけたチャウラピランデッロ短篇集』(第一回須賀敦子翻訳賞受賞)、P・レーヴィ『天使の蝶』、I・カルヴィーノ『マルコヴァルドさんの四季』の他、A・ファリネッリ『なぜではなく、どんなふうに』(共訳)等がある。
栗原俊秀
(クリハラトシヒデ )1983年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了後、イタリアに留学。カラブリア大学文学部専門課程近代文献学コース卒業。2016年、C・アバーテ『偉大なる時のモザイク』の翻訳で、第二回須賀敦子翻訳賞受賞。他にJ・ファンテ『満ちみてる生』等の訳書がある。