人はどこまで、ダメになれるのか? 夜ごと繁栄の街・ハリウッドの外れのバーに集結する、ありとあらゆる種類のダメなひとびと。ウィスキー、テキーラ、ビールにコカインが乱舞する夜が明け、そしてまた夜が訪れる……。渇いた文体で活写する、酒に踊り、酒に溺れる人々の酔態、痴態、狂態。『シスターズ・ブラザーズ』が話題を呼んだ、鬼才パトリック・デウィットの驚嘆のデビュー作。つねに誰かが酔っている、泥酔文学の金字塔! 訳者あとがき=茂木健
パトリック・デウィット
1975年バンクーバー生まれ。皿洗い、バーテンダーなどの職を経て、『みんなバーに帰る』で作家デビュー。2011年発表の『シスターズ・ブラザーズ』はブッカー賞の最終候補作に選出されたほか、カナダで最も権威があるとされる総督文学賞をはじめ四冠を制覇し、日本では各種の年末ミステリベスト10入りを果たした。現在はオレゴン州で妻と息子と暮らす。
茂木健
(モギタケシ )1959年生まれ、翻訳家。訳書にウィルスン《時間封鎖》三部作、ティドハー『完璧な夏の日』、ウォルトン『図書室の魔法』《ファージング》三部作ほか多数。著書に『バラッドの世界』『フィドルの本』。