アイノウラガワハヤミ

愛の裏側は闇〈V〉

ラフィク・シャミ
酒寄進一


愛の裏側は闇〈V〉

ジャンル
一般文芸 > 一般文芸

判型:四六判上製
ページ数:382ページ
初版:2014年10月24日

ISBN:978-4-488-01034-8
Cコード:C0097


装幀:山田英春


内容紹介

1959年秋、シリア。大学進学が認められたファリードは、友人の影響で共産主義青年同盟に入る。ラナーとは秘密裡に交際をつづけていたが、混乱を極める政情の中で秘密警察に逮捕されてしまう。そしてダマスカス郊外の収容所に送られ、日常的に虐待を受ける獄中生活が始まる。一方のラナーは、家族の卑劣な企てにより無理矢理結婚させられる。心を閉ざして結婚生活をやりすごそうとするが、ついに精神に変調を来しはじめてしまう。それぞれに訪れた地獄の先に待つものとは――。今世紀最大級の世界文学、堂々の完結。訳者あとがき=酒寄進一


ラフィク・シャミ

1946年シリア、ダマスカス生まれ。ドイツ語を母語としないドイツ語作家に贈られるシャミッソー賞で、第1回(1985年)では奨励賞、1993年には本賞に輝く。本書の英語版に対してブック・オブ・ザ・イヤー賞銀賞(2009年)とIPPYゴールドメダル賞(2010年)、2011年には全活動に対して「忘却に抗して――民主主義のために」という賞を受けている。邦訳は『夜の語り部』『ミラード』など。


酒寄進一

(サカヨリシンイチ )

ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書として、2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位に選ばれたシーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞を受賞したコルドン〈ベルリン三部作〉、ヘッセ『デーミアン』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』、ケストナー『終戦日記一九四五』、ノイハウス『友情よここで終われ』、ザルテン『バンビ――森に生きる』などがある。