ある夜鍵を忘れてアパートに帰ってきてしまったわたし。部屋に入れず途方に暮れていると、隣人の男性から思いがけない提案──「よかったら、うち泊めますけど」。潔癖症のわたしだったが思い切って申し出を受けることに。これを機にやがてふたりの距離は縮まるが──。わたしと彼を隔てるのはアパートの壁一枚……だけじゃない!? 距離は近くても道のりは険しい、王道の恋愛小説。
砂村かいり
(スナムラカイリ )2020年に第5回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門〈特別賞〉を『炭酸水と犬』『アパートたまゆら』で二作同時受賞し、翌年デビュー。軽やかな筆致と丁寧に書き込まれた人物造形で織りなす人間ドラマが魅力の注目の新鋭。他の著作に『黒蝶貝のピアス』がある。