死体から情報や記憶を強奪する死骸検師(ネクロマンサー)ドラゴサニは、更なる力を手にするため故国ルーマニアへ赴き、吸血鬼族の秘密を探り出そうと目論んでいた。一方、死者の魂との交流によってその能力を身に宿す死霊見師(ネクロスコープ)キーオウは、母を殺した継父への復讐を遂げるべく力を磨いていた。相似する能力と正反対の魂を持つ青年たちの死闘を描く、〈タイタス・クロウ・サーガ〉の著者による傑作。
ブライアン・ラムレイ
1937年イギリス・ダーハム郡生まれ。職業軍人として勤めるかたわら、小説を執筆する。代表シリーズに〈タイタス・クロウ・サーガ〉(『地を穿つ魔』『タイタス・クロウの帰還』『幻夢の時計』『風神の邪教』『ボレアの妖月』『旧神郷エリシア』 )、Necroscope Series、The Primal Land Series、The Dreamlands Seriesなど、短編集に『黒の召喚者』『タイタス・クロウの事件簿』がある。
夏来健次
(ナツキケンジ )1954年新潟県生まれ。主な訳書にスティーヴンスン『ジキル博士とハイド氏』、ホジスン『幽霊狩人カーナッキの事件簿』、レノルズ『人狼ヴァグナー』、編書に『英国クリスマス幽霊譚傑作集』、共編書に『吸血鬼ラスヴァン』などがある。