ヴィクトリア朝期に『クリスマス・キャロル』がベストセラーとなって以降、定番となった聖夜怪談。幽霊をこよなく愛するイギリスで生まれた佳品を、数々の怪奇幻想小説を紹介する翻訳家が精選する。陰鬱な田舎で休暇を過ごすことになった男が老朽船で体験する恐怖の一夜「幽霊廃船のクリスマス・イヴ」など、知られざる傑作から愛すべき怪作まで、13篇中12篇を本邦初訳で贈る。編者あとがき=夏来健次
チャールズ・ディケンズ「クリスマス・ツリー」
ジェイムズ・ヘイン・フリスウェル「死者の怪談」
アメリア・B・エドワーズ「わが兄の幽霊譚」
ウィリアム・ウィルシュー・フェン「鋼の鏡、あるいは聖夜の夢」
イライザ・リン・リントン「海岸屋敷のクリスマス・イヴ」
J・H・リデル夫人「胡桃邸(くるみやしき)の幽霊」
セオ・ギフト「メルローズ・スクエア二番地」
マーク・ラザフォード「謎の肖像画」
フランク・クーパー「幽霊廃船のクリスマス・イヴ」
エリザベス・バーゴイン・コーベット「残酷な冗談」
H・B・マリオット・ワトスン「真鍮の十字架」
ルイーザ・ボールドウィン「本物と偽物」
レティス・ガルブレイス「青い部屋」
夏来健次
(ナツキケンジ )1954年新潟県生まれ。主な訳書にスティーヴンスン『ジキル博士とハイド氏』、ホジスン『幽霊狩人カーナッキの事件簿』、レノルズ『人狼ヴァグナー』、編書に『英国クリスマス幽霊譚傑作集』、共編書に『吸血鬼ラスヴァン』などがある。