時間がないです、私、殺されます──錯乱状態に陥った少女は、オカルト雑誌のライター・美羽の眼前で突然、爆発するように血肉を散らして死んだ。スクープを狙った美羽は少女が通っていたという「とらすの会」を訪れるが、マレ様と呼ばれる人物と出会うことで、想像を絶する奈落へと突き落とされる──。デビューから次々に話題作を発表し続ける注目の著者が描く、美しい異常。解説=織守きょうや
芦花公園
(ロカコウエン )東京都生まれ。Web小説サイト「カクヨム」で公開していた「ほねがらみ─某所怪談レポート─」が注目を集める。同作が編集者の目に留まり、2021年4月『ほねがらみ』で書籍デビュー。同年5月に刊行された『異端の祝祭』も話題を呼ぶ。他の著書に『漆黒の慕情』『とらすの子』『聖者の落角』『パライソのどん底』『食べると死ぬ花』『極楽に至る忌門』がある。