●初野晴氏推薦――「この絶対零度の筆致は憧れです。人には貸さない自分だけの本。」
英国ミステリ界の重鎮ブランド。本書にはその独特の調理法にもとづく16の逸品を収めた。コックリル警部登場の重厚な本格物「婚姻飛翔」、スリルに満ちた謎解きゲームの顛末を描く名作「ジェミニー・クリケット事件」、あまりにもブラックなクリスマス・ストーリー「この家に祝福あれ」など、ミステリの真髄を示す傑作短編集! 解説=北村薫
*第3位「このミステリーがすごい! 1998年版」過去10年のベスト20/海外編
*第5位「このミステリーがすごい! 1991年版」海外編ベスト10
*第6位『もっとすごい!!このミステリーがすごい!』1988-2008年版ベスト・オブ・ベスト海外編
●収録作品
「クリスチアナ・ブランドの世界」ロバート・E・ブライニー
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「事件のあとに」
「血兄弟」
「婚姻飛翔」
「カップの中の毒」
「ジェミニー・クリケット事件」
「スケープゴート」
「もう山査子摘みもおしまい」
「スコットランドの姪」
「ジャケット」
「メリーゴーラウンド」
「目撃」
「バルコニーからの眺め」
「この家に祝福あれ」
「ごくふつうの男」
「囁き」
「神の御業」
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「クリスチアナ・ブランド書誌」ロバート・E・ブライニー
クリスチアナ・ブランド
1907年マラヤ(現在のマレーシアの一部)生まれ。イギリスに帰国後の17歳のとき父が破産。自活のため保母兼家庭教師やモデル、ダンサーなどさまざまな職業を転々とする。1941年、『ハイヒールの死』 で本格的に作家デビュー。以後『緑は危険』『ジェゼベルの死』『はなれわざ』『招かれざる客たちのビュッフェ』など、オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、女流ミステリ作家としての確固たる地歩を築く。また、1972年から73年までCWA(英国推理作家協会)の会長を務めた。1988年没。
深町眞理子
(フカマチマリコ )1931年生まれ。1951年、都立忍岡高校卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、ドイル《シャーロック・ホームズ》シリーズ、ギャスケル《アトランの女王》全3巻、オールディス『グレイベアド』、エラリー・クイーン編『ミニ・ミステリ傑作選』など多数。