1846年の真冬。ニューヨーク市警のティムは、黒人の血が混じった女性ルーシーから助けを求められる。妹と息子が悪辣な逃亡奴隷捕獲人に拉致されたのだ。彼女たちを助け出し兄の家に匿ったが、翌々日の朝、その家でルーシーの死体を発見する。唯一の肉親である兄に嫌疑がかかることを恐れたティムは死体を移動させ、犯人を追う。ニューヨーク市初の警官となった青年の奮闘を活写した警察小説! 解説=酒井貞道
リンジー・フェイ
アメリカの作家、女優。2009年、切り裂きジャックとシャーロック・ホームズをテーマにした長篇Dust and Shadow: An Account of the Ripper Killings by Dr. John H. Watson でデビュー。2013年に上梓した『ゴッサムの神々──ニューヨーク最初の警官』は、2作目にしていきなりアメリカ探偵作家クラブ最優秀長篇賞の最終候補作になった。2014年に続篇にあたる『7は秘密』を、2015年にはシリーズ3作目The Fatal Flameを刊行。シャーロッキアンで、ベイカー・ストリート・イレギュラーズの正会員でもあり、いくつかのホームズ・パスティーシュを雑誌に発表している。
野口百合子
(ノグチユリコ )東京外国語大学英米語学科卒業。フリードマン「もう年はとれない」、ボックス「発火点」「越境者」「嵐の地平」「熱砂の果て」、パーキン「小鳥と狼のゲーム」、クリスティ「秘密組織」「二人で探偵を」など訳書多数。