CIA退官を目前に控えたタリーは、その話を聞いた瞬間、耳を疑った。亡命を希望している東ドイツ諜報機関の大物が、自分を身柄を預ける際の要員に指名してきたというのだ。受け入れに赴いたパリで、その大物から示された古ぼけたライターが、あの第二次世界大戦末期の極秘作戦の記憶を呼び覚ます……。傑作『北壁の死闘』と並び称される第一級のスパイ小説! 解説=田口俊樹
ボブ・ラングレー
1936年、イギリス北西部のニューカスル生まれ。兵役を終えてアメリカへわたり、さまざまな職業を経験する。帰国後、テレビ局のキャスターを務める一方で、数々の冒険小説を発表。著作に『北壁の死闘』(第6回日本冒険小説協会大賞受賞)、『ニュース・キャスター』、『衛星軌道の死闘』などがある。現在はイギリス・ノーサンブリア在住。
東江一紀
(アガリエカズキ )1951年生まれ。北海道大学卒。ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ』、フィリップ・カー『砕かれた夜』、ジョン・ウィリアムズ『ストーナー』、マイケル・ルイス『世紀の空売り』など訳書多数。著書に『ねみみにみみず』がある。2014年逝去。