信頼するケイレブ警部が停職中のため、ケイトは彼の部下と、ふたつの不可解な事件の捜査にあたる。彼女が救った女性はロシアの出身だったが、なにか秘密があるようだ。四肢麻痺となった女性はリハビリ施設への移送中に移送車ごと拉致される。どちらの事件にも隠された過去が絡んでいた。ドイツミステリの女帝が贈る慟哭のミステリ。かくも衝撃的な作品がかつてあっただろうか?解説=大矢博子
シャルロッテ・リンク
1963年ドイツのフランクフルト生まれ。大学進学前、19歳で歴史小説家としてデビュー。大学では法学を学ぶ。1999年刊行の『姉妹の家』で初めて「シュピーゲル」誌のベストセラー・リストに。以後、今日までベストセラーを連発し、国民的作家として活躍を続けている。
浅井晶子
(アサイショウコ )1973年大阪府生まれ。京都大学大学院博士課程単位認定退学。訳書にJ・W・タシュラー『誕生日パーティー』、J・エルペンベック『行く、行った、行ってしまった』、C・リンク『失踪者』等多数あり。2021年度日本翻訳家協会翻訳特別賞受賞。