1967年末。ある火災の調査のため、精神科医のジャックは、顔と両手に重度の火傷を負い、記憶を失ったコナーという男と向かいあっていた。北極圏にある極秘基地の発電室で出火し、隊員2名が死亡。彼は唯一の生存者だという。火災現場の遺体は、一方は人間の形を残していたが、もう一方は灰と骨と歯の塊だった。なぜ遺体の状態に差が出たのか? 謎と陰謀が渦巻くミステリ長編! 解説=村上貴史
サイモン・モックラー
ケンブリッジ大学で現代語学を、ロンドン芸術大学のキャンバーウェル・カレッジ・オブ・アーツで絵画を学び、アーティスト、ミュージシャン、教師、公務員などさまざまな職種を経験する。2019年に児童書Beatrix the Bold and the Curse of the Wobblersで作家デビューし、シリーズ3作目まで刊行された。大人向けミステリである『極夜の灰』はアメリカでのデビュー作。
冨田ひろみ
(トミタヒロミ )翻訳者&ライター。埼玉大学教養学部卒。訳書にクリスピン「列車にご用心」、フォックス「邂逅――シドニー州都警察殺人捜査課」「楽園――シドニー州都警察殺人捜査課」などがある。