名探偵が殺人事件の容疑者に恋をする? 大胆な展開と見事な謎解きで英米黄金時代の先駆となった長編。乱歩が心から惚れこんだ傑作本格ミステリが新カバー&新解説で登場!
E・C・ベントリー
1875年イギリス・ロンドン生まれの作家、詩人。新聞社に勤めるかたわら詩を発表。独自の形式を持つ四行詩は、自身のミドルネームにちなみ「クレリヒュー」と称されるようになる。1913年、長編小説『トレント最後の事件』を刊行。ミステリ黄金時代の先駆けとなる歴史的傑作として高く評価される。〈ブラウン神父〉シリーズの作家G・K・チェスタトンとは学生時代からの盟友であり、『トレント最後の事件』は彼に捧げられている。ミステリの著作はほかに長編『トレント自身の事件』、短編集『トレント乗り出す』などがある。36年にはチェスタトンの後任として、ディテクションクラブの第二代会長に就任した。56年没。