判型:文庫判
ページ数:380ページ
初版:1961年5月19日
ISBN:978-4-488-10313-2
Cコード:C0197
文庫コード:M-ロ-2-1
装画:山田維史
装幀:小倉敏夫
強大な権力を有する実業家ウルフには、死を異常に恐れる一面があった。怪しい男の来訪をきっかけに彼の周囲では怪異現象が続発し、ついにはウルフ自身が不可能状況下で殺害される! 何度死んでも生き返る“死なない男”の存在が不気味な影を投げかける、奇術師探偵マーリニが手がけた最大の難事件。カーと並ぶ密室本格派の名手が、二重三重の仕掛けを駆使した謎解き推理長編!解説=中島河太郎
クレイトン・ロースン
1906年アメリカ、オハイオ州生まれ。38年に長編『帽子から飛び出した死』でミステリ作家デビュー。奇術師グレート・マーリニを探偵役にし、アマチュア奇術師でもあった自らの経歴を活かした、人の盲点をつくトリックやミスディレクションを駆使した作風で知られる。作品はほかに『天井の足跡』『首のない女』『棺のない死体』、スチュアート・タウン名義で発表された『虚空から現れた死』など。後年は雑誌〈エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン〉の編集長を務め、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の創設にも関わった。71年没。
田中西二郎
(タナカセイジロウ )1907年東京生まれ。東京商科大学卒。中央公論社勤務を経て、英米文学翻訳家。代表的な訳書に、ハーマン・メルヴィル『白鯨』、グレアム・グリーン『情事の終り』など。1979年没。