スカイツリーを見上げながら、水上バスで通勤する富田宝子、28歳。
浅草にあるおもちゃ会社の敏腕プランナーとして働く彼女は、
次から次へと災難に見舞われる片想い中の彼のため、
SP気分で密かに彼のトラブルを解決していく……!
やがて、自分の気持ちに向き合ったとき、宝子は──。
柚木麻子
(ユズキアサコ )1981年東京都生まれ。立教大学卒。2008年、「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞。同編を含む『終点のあの子』でデビュー。巧みな女性の心理描写に定評があり、2014年には『ランチのアッコちゃん』が本屋大賞にノミネートされた。『伊藤くんA to E』『本屋さんのダイアナ』では直木三十五賞候補となる。他の著書に『あまからカルテット』『早稲女、女、男』『その手をにぎりたい』などがある。