人間の六つの王国と神秘に包まれた種族フィーンの王国は、長いこと平和のうちに栄えていた。だがフィーンのもとから大いなるダイヤモンドが奪われると、戦の暗い影が世界を覆いはじめる。戦火の迫る故国を脱し、家族とともに母の故郷の村に身を寄せていたリーヴは、村はずれの森で紫の瞳をもつ不思議な少女に出会った。世界の運命を変えることになる出会い……。平和を願い暗黒に立ち向かう少女の姿を描いた、異世界ファンタジー。
遠藤文子
(エンドウフミコ )1960年岐阜県生まれ。大学卒業後広告代理店に勤務。1989年にデビュー作『ユリディケ 時をこえた旅人たちの物語』を刊行。他に〈サラファーンの星〉四部作、詩画集『星たちの祈り』(絵・きたのじゅんこ)、『ママはシングル』がある。