王子一行と共にベッキー、ジムが乗り込んだラツカヴィアは、危急存亡のときを迎えていた。国王は年老い、皇太子夫妻は暗殺されてしまった。オーストリアとドイツが虎視眈々とを狙っている。さらに王家を立て続けに悲劇が襲う。陰で糸を引くのは何者か? 王室に隠された秘密とは? ラツカヴィアの自由と独立を象徴する〈赤い鷲旗〉を擁し、サリーの弟分ジムと勇敢な少女ベッキーが大活躍。フェニックス賞オナー受賞シリーズ最終巻。訳者あとがき=山田順子
フィリップ・プルマン
1946年イギリスのノリッジ生まれ。イギリス、ジンバブエ、オーストラリアを転々としたのち本国にもどり、オクスフォード大学エクセター・コレッジで英文学を学ぶ。その後、教鞭をとるかたわら児童書の執筆を、1982年に Count Karlstein を発表したのち、〈サリー・ロックハートの冒険〉4部作を書きはじめる。その後1995年から〈ライラの冒険〉3部作(新潮社)を発表、第1巻の『黄金の羅針盤』ではカーネギー賞、ガーディアン賞を、第3巻の『琥珀の望遠鏡』ではウィットブレット賞児童文学賞と最優秀賞を同時受賞するという快挙をなしとげた。
山田順子
(ヤマダジュンコ )1948年福岡県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。主な訳書に、アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』、キング『スタンド・バイ・ミー』、クリスティ『ミス・マープル最初の事件』、リグズ『ハヤブサが守る家』、プルマン『マハラジャのルビー』など。