2017年ルノードー賞受賞作
A・コナー『パールとスターシャ』(野口百合子訳)で双子の少女の目を通して描かれたアウシュヴィッツ絶滅収容所のナチスの医師メンゲレ。ユダヤ人、特に双子たちを実験対象に、信じがたい人体実験を重ねた悪魔のような男。彼がドイツ敗戦後、南米に逃亡し、1979年まで捕まることも裁かれることもなく生き延びられたのはいったいなぜなのか? その謎に満ちた後半生を見事に描いたノンフィクション・ノヴェル。ルノードー賞受賞作。訳者あとがき=高橋啓
高橋啓
(タカハシケイ )1953年北海道生まれ。翻訳家。早稲田大学文学部卒。訳書にL・ビネ『言語の七番目の機能』、O・ゲーズ『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』、E・ルイ『エディに別れを告げて』、P・フルネル『編集者とタブレット』、J・ルーボー『麗しのオルタンス』、P・キニャール『アマリアの別荘』等。