あたしの名前はミナ。あたしは夜が大好き。フクロウやコウモリが夜空を飛び、どこかでネコのウィスパーが、月の光でできた影から影へと歩きまわっているだろう。あたし自身があやしげな生きものみたいな気持ち。あたしはミナという名前の女の子だけど、ただの女の子じゃない。そう、ミナはただの女の子じゃない。型にはまらず自由で、喜びに満ちていて……『肩胛骨は翼のなごり』の前日譚。個性的な女の子ミナの羽ばたく心の物語。訳者あとがき=山田順子
デイヴィッド・アーモンド
1951年イングランド北部タイン川を見おろす、古びた炭鉱町に生まれる。20代初めから小説や詩や芝居の台本などを書いており、31歳のときに本格的な創作活動を始めた。初めて書いた児童書『肩胛骨は翼のなごり』で、カーネギー賞、ウィットブレッド賞の児童書部門を受賞。2010年、国際アンデルセン賞を受賞。
山田順子
(ヤマダジュンコ )1948年福岡県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。主な訳書に、アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』、キング『スタンド・バイ・ミー』、クリスティ『ミス・マープル最初の事件』、リグズ『ハヤブサが守る家』、プルマン『マハラジャのルビー』など。