魔力を持つ執事が屋敷を切り盛りする国カリファ。一万一千の部屋を持つ荒れ屋敷に住む少女フローラは、ひょんなことから屋敷内の大図書館に迷いこみ、追い出されたはずの魔法執事と出会う。魔力の衰えた執事から、自分をよみがえらせれば荒れた屋敷も新しくよみがえると言われ、フローラは自らの生命力を分けあたえるのだが、ふと気づくと、自分の存在が消えはじめていて……。摩訶不思議な世界を舞台にした愛と冒険のファンタジー。
杉田七重
(スギタナナエ )東京都生まれ。東京学芸大学卒。英米文学翻訳家。主な訳書にジェラルディン・マコックラン『世界のはての少年』、ドナ・バーバ・ヒグエラ『最後の語り部』、イヴリン・スカイ『ダムゼル 運命を拓きし者』、エドワード・ドルニック『ヒエログリフを解け――ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース』がある。