孤児のサリーは、数知れない部屋のある大きな屋敷の下働き。外の世界などまったく知らない。ある日、侍従が開くパーティの給仕をすることになったサリー。だが、そのパーティはなにかがおかしかった。サリーの目の前で次々と招待客が殺される。混乱するサリーに追い打ちをかけるよう、奇妙な出来事が……。屋敷には怖ろしい秘密が隠されていたのだ。『はてしない物語』〈ネシャン・サーガ〉の流れに連なるドイツファンタジーの逸品。訳者あとがき=遠山明子
遠山明子
(トオヤマアキコ )1956年神奈川県生まれ。上智大学大学院卒。ドイツ文学翻訳家。主な訳書に、ケルスティン・ギア〈時間旅行者の系譜〉三部作、ヨハンナ・シュピリ『アルプスの少女ハイジ』、マリアナ・レーキー『ここから見えるもの』などがある。