「さて、今日の“お楽しみ(エクサイトメンツ)”は何かしら?」
ロンドンに住む99歳のジョゼフィーンと97歳のペニーの姉妹は、ただ者ではない。第二次世界大戦中、姉は海軍婦人部隊に、妹は応急看護婦部隊に所属していた。戦後もそれぞれ社会に貢献する日々を送り、現在は退役者として講演をしたり、インタビューを受けたりして暮らしている。そんなとき、戦時中のフランスへの働きに対して、姉妹にレジオン・ドヌール勲章が授与されることに。二人は甥の息子アーチーと一緒にパリへと向かうことにするが、ペニーには別の思惑があった。パリでの勲章授与式の裏で、長年心に秘めてきたある計画を成し遂げなくては――。
モールス信号での会話が得意で格闘術の心得もあり。“いつも機嫌よく(トゥージュール・ゲ)”を合言葉に、第二次世界大戦から現在まで激動の時代をたくましく生きる最高の姉妹を描いた、勇気をもらえる感動作!訳者あとがき=高山祥子
C・J・レイ
イングランド西部のグロスターで育ち、オックスフォード大学で心理学を学ぶ。脚本家、創作クラスの教師、コラムニスト、ゴーストライターとしても働いてきた。25以上の著作があるベストセラー作家クリッシー・マンビーの別名義で、このペンネームでは『ロンドンの姉妹、思い出のパリへ行く』がデビュー作となる。
高山祥子
(タカヤマショウコ )1960年東京都生まれ。成城大学文芸学部卒業。訳書にバロン『世界一高価な切手の物語』、ドーソン『アメリカのシャーロック・ホームズ』、チャールズ『あの図書館の彼女たち』、フラド『リスボンのブック・スパイ』などがある。