図書館員のサイモンへ、未知の書籍商から一冊の本が送られてきた。それは18世紀のサーカス団長による日誌で、表紙の裏に母方の祖母の名が記されていた。姿を隠す術を使う少年、マーメイドの少女、少年にタロット占いを教える予言者。さまざまな人物が登場するこの本によって、サイモンは祖母と母親を含む母方の女性が、いずれも若くして7月24日に溺死していたと知る。一族には死の呪いがかけられており、妹の身が危ないのでは――。サイモンは本を手掛かりに家族の秘密を探り始める。いにしえの本と呪われた一族をめぐる物語。訳者あとがき=小林浩子