祖父の住む風変わりな村での少年の体験を描く「月のケーキ」等、愉快な中にもちょっぴり背筋が寒くなる、ガーディアン賞受賞の名手による奇妙な味わいの13編を収めた短編集。
ジョーン・エイキン
1924年英国イースト・サセックス州生まれ。父はピューリッツァー賞受賞の詩人コンラッド・エイキン。ジャーナリストの夫が亡くなってほどなく、作家としての本格的なキャリアをスタートさせる。〈ダイドーの冒険〉シリーズ、〈アラベルとモーチマー〉シリーズをはじめ、大人向けのホラーストーリーや、ファンタジー短編集、詩、戯曲と、生涯にわたって百冊以上の本を出版した。1969年にはガーディアン賞、1972年にはエドガー賞を受賞している。2004年没。
三辺律子
(サンベリツコ )東京都生まれ。フェリス女学院大学、白百合女子大学講師。訳書にジョーンズ『呪文の織り手』、ダレーシー『龍のすむ家』、ネルソン『君に太陽を』、フレミング『ぼくが死んだ日』など多数。共著に『12歳からの読書案内』などがある。