創元SF文庫 2007年2月より日本SF刊行開始
第1回配本は田中芳樹『銀河英雄伝説1 黎明篇』、
堀晃『バビロニア・ウェーブ』

 創元SF文庫は1963年9月、フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』の配本よりスタートしました(当時は創元推理文庫の一部門。初刊のラインナップはこちらをご参照ください)。なお2007年2月刊の『ミステリーズ!vol.21』の表4では、初期刊行物11点中9点の書影を紹介していますので、是非お手にとってご覧ください。

 そして2007年2月より日本SFの配本が始まります。記念すべき第1回配本は、日本SF史にその名を刻む壮大な宇宙叙事詩、田中芳樹の『銀河英雄伝説1 黎明篇』、そして日本ハードSFの雄、堀晃による気宇壮大なスケールの宇宙SF『バビロニア・ウェーブ』(初文庫化)です。

 星野之宣描き下ろしのカバーイラストで、装いも新たに登場の星雲賞受賞作『銀河英雄伝説』は、遙かな未来を舞台に、銀河系を三分割する勢力――専制国家・銀河帝国、商業都市国家・フェザーン自治領、帝国に反旗を翻す人々が設立した民主国家・自由惑星同盟(フリー・プラネッツ)の支配者たちが権謀術策を巡らし、銀河の覇権を競うなか、夥しい登場人物が織りなす一大歴史絵巻です。

 惰性的な対立抗争をつづける帝国と同盟、それぞれが生み出した宿将――下級貴族から身を立てた若き帝国の将“常勝の天才”ことラインハルト・フォン・ローエングラム、そして“不敗の魔術師”と呼ばれて戦争の中枢を担う用兵家、ヤン・ウェンリー。二人の智将の邂逅から始まる怒濤の一大銀河史、隔月配本予定です。

 第1短編集『太陽風交点』で第1回日本SF大賞を受賞した堀晃。日本ハードSFの担い手として名高い著者の唯一の長編にして星雲賞を受賞した『バビロニア・ウェーブ』が初めて文庫化されます。淡々とした宇宙の描写に関しては右に出る者のない、ハードSFの匠による名編です。

 ――太陽系から3光日の距離に発見された、銀河面を垂直に貫く直径1200万キロ、全長5380光年に及ぶレーザー光束「バビロニア・ウェーブ」。いつから、なぜ存在するのかはわからない。ただ、そこに反射鏡を45度角で差し入れれば人類は厖大なエネルギーを手中にできる。傍らに送電基地が建造されたが、そこでは極秘の計画が進行していた。日本ハードSFを代表する傑作をどうぞお見逃し無く。

 3月には菅浩江の幻の第1長編、SFファンタジー『ゆらぎの森のシエラ』――復讐を求める青年と、世界の原理と繋がる不思議な少女の物語を、また5月には川又千秋の日本SF大賞受賞作『幻詩狩り』――読んではならない“詩”が昭和末期の日本に上陸した! 言語SFの傑作を刊行いたします。

(2007年2月5日/2007年6月5日)