コーンウォールの魅力満載の
ライトミステリ・シリーズ登場!
ジェイニー・ボライソー『容疑者たちの事情』

 イギリス西南部に突き出たコーンウォールという土地をご存知でしょうか? イギリスにしては温暖で風光明媚、南ヨーロッパを思わせる太陽の光と植物。イギリスではリタイアしてから住みたい場所ナンバーワンというほど人気の高いところ。またその光と影を愛してかコーンウォールには芸術家たちも多く移り住んでいます。
 イギリスでも有数の保養地である一方、内陸には荒涼とした岩や灌木ばかりのムーア地帯が広がります。その中に点々と屹立する古代の立石メンヒルやドルメン、ムーアや鉱山の廃坑に今も残る妖精の伝承……
 イギリスの片田舎というなかれ、コーンウォールは一言は語り尽くせない奥深い魅力を秘めた土地なのです。
 さて、そのコーンウォールのご当地ミステリ『容疑者たちの事情』はというと……


容疑者たちの事情  ローズはそんなコーンウォールをこよなく愛し、そこに住み着いてしまった女性。
 生粋の土地っ子だった最愛の夫が死んで4年、仕事(画家が本業、でも食べていけないので写真家もやってます)に打ち込む毎日だ。ある日仕事で知り合った、この土地に移ってきてまだ間もない裕福な女性から、ホームパーティのお誘いを受ける。そろそろ新しい生活への第一歩を踏み出してもいいころかもしれない。それなのに、パーティの最中に肝心の女主人が墜落死、それもどうやら事故ではないらしい。おまけにその第一発見者が自分だなんて! 担当の警部は相当に失礼な奴だし、もしかして自分も容疑者扱いされている? 怪しいのは被害者の夫? 息子? それとも夫の不倫相手? 
 ローズはもちまえの好奇心と観察力をフルに発揮、友人たちの心配をよそに次第に事件にのめりこむのだが……


 推理に、仕事に、恋にと何かと忙しいローズが料理を作る場面も魅力のひとつ。シンプルできどらない、でも美味しそうな料理がいっぱい。思わずワインを飲みたくなってしまうこと請け合いです。コーニッシュパースティや、クロテッドクリーム等、知る人ぞ知るコーンウォール名物もしっかり登場します、お楽しみに。


本の話題のトップへトップページへもどる