万延元年の遣米使節団歓迎に沸き立つニューヨークで、次々と起こる不思議な事件。アトランティック・レヴュー社の敏腕記者ウィリアム・ダロウと挿絵画家フレーリは、日本人漂流民のジューゾ・ハザームの助けを借りながら、サムライ使節団の取材と並行して、怪事件の謎を追っていく。
綿密な時代考証に裏打ちされた歴史小説のおもしろさと、本格ミステリの醍醐味を併せ持つ、ディクスン・カーを彷彿とさせる歴史ミステリの傑作が登場。
『名探偵は千秋楽に謎を解く』など、ジュヴナイル・ミステリの傑作を遺して沈黙していた著者が、十数年をかけて書き上げた畢生の大作は、小説を読む楽しみに満ち充ちている。
21世紀のミステリ界を背負って立つ気鋭が遂に立ち上がる!