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2019.04.07


第50回星雲賞参考候補作に東京創元社の作品が多数選出されました

4月7日(日)に第50回星雲賞の参考候補作が発表されました。同賞は、日本SF大会参加登録者によるファン投票で決定される、優秀なSF作品およびSF活動に贈られる賞であり、日本のSFおよび周辺ジャンルのアワードとしては最も長い歴史を持つ賞です。

第50回星雲賞の投票は4月7日~5月31日におこなわれ、受賞作発表および贈賞式は7月27日に第58回日本SF大会「彩こん」(会場・埼玉県さいたま市 ソニックシティ)でおこなわれる予定です。詳細は下記リンク先をご確認ください。

●第58回日本SF大会「彩こん」公式サイト
https://www.scicon.jp/
●第50回星雲賞 参考候補作一覧・投票ページ
http://www.sf-fan.gr.jp/vote2019/


今回、東京創元社の刊行作品で選出されたのは、以下の7作品です。


【日本長編部門】

ランドスケープと夏の定理
●高島雄哉『ランドスケープと夏の定理』(創元日本SF叢書)

ぼくらが到達した宇宙と知性のすべて
地球随一の天才物理学者である気の強い姉に、なにかにつけて振りまわされるぼく。大学四年生だった夏に日本でおこなわれた「あの実験」から三年、ぼくはまたしても姉に呼び出された。向かった先は宇宙空間――ラグランジュポイントL2に浮かぶ国際研究施設だ。姉はそこで誰にも知られることなく、宇宙論に関するある途轍もない実験を準備していた。第五回創元SF短編賞を受賞した表題作にはじまる全三話。瀬名秀明が「日本SFの歴史を次の五十年に受け渡す傑作」と激賞した、新時代の理論派ハードSF。著者あとがき/解説=堺三保

厨師、怪しい鍋と旅をする
●勝山海百合『厨師、怪しい鍋と旅をする』(単行本)

無類の面白さに満ちた美食中華幻想譚!
優れた厨師(ちゅうし)を輩出することで有名な斉家村(せいかそん)に生まれた見習い料理人・斉鎌(せいれん)は、ある日見知らぬ男から不思議な鍋を借り受ける。しかしそれは煮炊きをしないでいると腹を空かして動物や人間を襲い始める、とんでもない鍋であった。鍋を返すまで故郷に帰ることは叶わない──流浪の身となった斉鎌は、鍋とむらに代々伝わる霊力を持った包丁を頼りに、戦場の飯炊き場、もののけの棲み家、名家の隠居所などで腕を揮いつつ、鍋の元の主を捜し歩くが......
若き厨師と怪しい鍋が旅の途上で出会う人々と不思議、そして料理。無類の面白さに満ちた美食中華幻想譚!


【日本短編部門】

天駆せよ法勝寺
●八島游舷「天駆せよ法勝寺」(電子書籍)

第9回創元SF短編賞受賞
驚天動地の仏教スペースオペラ!

巨大な九重塔・法勝寺は、仏教発祥の星・閻浮提を代表する星寺にして最新鋭航行機能を備えた飛塔である。三十九光年離れた星の大仏の御開帳に向かうため、七名の宇宙僧を乗せ、四十九日の旅に出るが......飛行中の法勝寺を怪異現象が襲う。日経「星新一賞」と「創元SF短編賞」を連続受賞した新鋭が放つ、驚天動地の仏教スペースオペラ! 加藤直之によるカラー挿絵2点を収録。

超動く家にて
●宮内悠介「トランジスタ技術の圧縮」/『超動く家にて 宮内悠介短編集』収録(創元日本SF叢書)

俊英の知られざるもうひとつの顔を目撃せよ!
「深刻に、ぼくはくだらない話を書く必要に迫られていた」
雑誌『トランジスタ技術』を「圧縮」する謎競技をめぐる「トランジスタ技術の圧縮」、ヴァン・ダインの二十則が支配する世界で殺人を企てる男の話「法則」など全16編。日本SF大賞、吉川英治文学新人賞、三島由紀夫賞受賞、直木・芥川両賞の候補になるなど活躍めざましい著者による初の自選短編集。あとがき(著者)/解説=酉島伝法(書籍紹介より)


【海外長編部門】

動乱星系
●アン・レッキー『動乱星系』(赤尾秀子訳、創元SF文庫)

ラドチ圏から遠く離れた、辺境の星系国家。有力政治家の娘イングレイは兄との後継争いで大逆転を狙い、政敵の秘密を握る人物を流刑地から脱走させる。だが引き渡されたのは別人だった。追い詰められた彼女はなりすましをさせるという賭けに出るが、その折も折、隣国有力者の殺人事件が発生。異星種族をも巻き込む一触即発の危機に発展し......ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞など全世界13冠《叛逆航路》ユニバース、待望の新作!

巨神覚醒 上巨神覚醒 下
●シルヴァン・ヌーヴェル『巨神覚醒』上下(佐田千織訳、創元SF文庫)

巨大ロボット・テーミスを中核とした国連地球防衛隊の創設から9年。ついに恐れていた事態が訪れた――未知の巨大ロボットが突如、ロンドン中心部に現れたのだ! だがその男性型ロボットは人類の呼びかけにも答えず、ただ不気味にたたずむのみ。恐怖に駆られた人類の強硬策は、かえって空前の大惨事を招く。彼らの意図は? 人智を超えた圧倒的存在に対し、人類の生き残りを賭けた戦いが始まる......。『巨神計画』待望の第二部登場!

六つの航跡 上六つの航跡 下
●ムア・ラファティ『六つの航跡』上下(茂木健訳、創元SF文庫)

クローンの体で蘇った6人が最初に目にしたのは、自分たちの他殺体だった――2500人分の冷凍睡眠者と人格データを載せた恒星間移民船で、唯一目覚めていた乗組員6人が全員死亡。蘇った彼らは、地球出発後25年間の記憶を消されていた。しかも船のAIも改竄され、再復活は不可能に。全員が他人に明かせない秘密を抱える彼らは、自分自身さえも疑いつつ、真相を探り始めるが......ヒューゴー賞、ネビュラ賞候補の新鋭SF!