判型:A5判並製
ページ数:378ページ
初版:2004年7月30日
ISBN:978-4-488-01517-6
Cコード:C0095
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
●野田昌宏氏推薦――「300ページのうち、パルプ雑誌の消滅に至るまで270ページが費やされている本書は、SFというものの基礎の基礎に対する著者ののめりこみ具合を如実に物語っている」
世界的な研究者が丹念な取材と研究のもとに贈る大作。雑誌をつくりつづけた出版人たちの狂騒曲が描かれる。19世紀末の黎明期から1950年までを扱う。SFファンはもとより、雑誌文化に興味を持つ読者の必携書である。巻末に詳細な雑誌インデックスを完備し、編集者・発行者、カバー・アーティストの名鑑も充実させた決定版資料。訳者あとがき=牧眞司
■著者の言葉
「何百という雑誌が現れては消えていった。
本書はこうした雑誌の物語であり、その物語はまた、SFの歴史でもある。この巻では、まだ幼いこのジャンルが、第一次世界大戦後の科学技術恐怖症の時代に生まれ、気宇壮大(コズミッツク)な30年代を経て、原子力の影がかかる40年代、50年代に到達するまでが語られる。
本書はSF雑誌に関する通史として、最新の内容をめざして書かれた。」
――マイク・アシュリー(「序文」より)
*東京創元社創立50周年記念出版
*第6位『SFが読みたい!2005年版』ベストSF2004海外篇
*第10位「本の雑誌」2004年SFベスト(鏡明氏選、2005年1月号掲載)
*2004年12月26日、朝日新聞読書欄「書評委員お薦め「今年の3点」」で最相葉月氏が推薦
口絵図版
序 文
謝 辞
第1部 開闢前
1 イギリスおよびヨーロッパ
2 アメリカの曙
3 パルプ雑誌の誕生
4 ガーンズバック登場
5 パルプの眺望
第2部 驚異(アメージング)の実験
1 サイエンティフィクション
2 アメージング・ストーリーズ
3 超科学の誕生
4 サイエンス・フィクションの群
5 混沌(カオス)から秩序が
第3部 黄金期へむかって
1 ヒーローと悪漢
2 ワンダーよ、もう一度
3 キャンベルの台頭
4 またまたヒーローと悪漢
5 海をへだてて
第4部 黄金期
1 増 殖
2 この時代の巨人たち
3 ブームと破綻
第5部 原始の解放
1 戦時中
2 シェイヴァー・ミステリ
3 核の時代へ
4 市民権を得たSF
5 ファンとプロ
6 世界中で
7 消えゆくパルプ雑誌
8 終 章
参考文献
訳者あとがき
付録1 SF雑誌総覧
付録2 雑誌編集者・発行者名鑑
付録3 雑誌カバー・アーティスト名鑑
索引
牧眞司
(マキシンジ )1959年東京都生まれ。東京理科大学工学部工業化学科卒。SF研究家・文芸評論家。書評や文庫解説を多数手がける。著書に『世界文学ワンダーランド』ほか、訳書にマイク・アシュリー『SF雑誌の歴史 パルプマガジンの饗宴』『SF雑誌の歴史 黄金期そして革命』、編著に『ルーティーン 篠田節子SF短篇ベスト』『柴野拓美SF評論集』、また大森望との共編で『サンリオSF文庫総解説』がある。