著者が自身のマルクスとフロイトとの出会いについて語る、自らの思想形成の告白。二人の思想体系の差異、そして矛盾を、いかに解明・統合するかの苦悶の自叙であると同時に、時代の苦悩と未来への模索を方向づける1冊。
エーリッヒ・フロム
1900年、ドイツのフランクフルトに生まる。ハイデルベルク、フランクフルトの大学で社会学、心理学を専攻し、1925年以後は精神分析学にも携わり、精神分析的方法を社会現象に適用する新フロイト主義の立場に立ち、社会心理学界に重要な位置を占めた。ナチに追われてアメリカに帰化し、メキシコ大学などの教授を歴任。1980年没。