SF、ファンタジーの名手、ビジョルドが描く
新しいファンタジーの世界

死者の短剣 惑わし
ロイス・マクマスター・ビジョルド/小木曽絢子訳(12月刊)

 フォーンは小柄なせいで幼く見えるが、立派におとな(自称二十歳)。
 深いわけがあって家出をして、秘密を抱いた重い心と疲れた足をひきずりながら、ひとりグラスフォージュの町を目指して歩いていた。
 道中食べものを求めて立ち寄った一軒の農家で、謎多き人々として知られる〈湖の民〉の 警邏の一隊を見かける。
〈湖の民〉警邏隊は、〈枯死の魔物〉とも呼ばれる悪鬼とその手下泥びとを滅ぼし、人々が安全に暮らせるように各地を見回っているのだ。
 警邏隊の一員ダグは、グラスフォージュ周辺で泥びとを追っていた。ところが、街道を通りかかった何もしらないフォーンがその泥びとにつかまってしまい……

   フォーンとダグ、〈地の民〉と〈湖の民〉というまったく異なる出自のふたりが出会ったとき、物語は大きく動き始める。
ビジョルドのまったく新しいファンタジーシリーズ第一弾 『死者の短剣 惑わし』。お楽しみに。


(2008年11月5日/2008年12月5日)