いったい、どうしてここに閉じこめられる羽目になったのか……。
見知らぬ世界の見知らぬ牢獄に、いきなり閉じこめられてしまったエミリー。わけもわからぬまま、限られた情報をもとに、なんとか手さぐりで自分がおかれた情況を分析しはじめる。
ここは、どうやら異世界。エミリーは、権力を相争うふたつの勢力の、一方の貴族の女性と人違いされてしまったらしいのだ。
閉じこめられた状況で、話ができるのは牢番とその上司らしい貴族の庶子、それと使い走りの少年だけ。
そんななかエミリーは、同じ砦の牢に閉じこめられている、ひとりの男性とまなざしをかわすようになる。そして囚われのエミリーは次第に彼に魅かれていくのだが……。
英国児童文学の女王ジョーンズが書いた不思議な味わいの掌編。〈デイルマーク四部作〉の原型ともいえる『牢の中の貴婦人』。ご期待下さい。
(2008年10月6日/2008年11月5日)
|