二日前のことだ。ぼくは死んだ。
正確に言うなら、バレンタインデーに、イースト・サセックス州にあるブライトンであの世へ旅立った。ホントならガールフレンドとふたり、週末にロマンチックに男と女の一線を踏み越える予定だったのに、どういうわけかパブでちんぴらにからまれて、ぼくひとり海へドブンだ。
で、そのぼくを助けてくれたのがヒューゴー・アルテミス・ソロン・サターニカス・レジナルド・アーサー・ルーン、つまりミスター・ルーン。本人曰く、神秘の探偵、麻薬愛好家、宇宙刑事、男の中の男、オカリナに新たな力を与えし者だ(そうだ)。
記憶をすっからかんになくしちゃったたぼくは、とりあえず彼が手がける事件の記録者となるべく、血の契約(げっ!)をかわしたというわけ。
それがこのブライトン十二宮と偉大なる発明クロノビジョンをめぐって、世界征服を企む悪の勢力と丁々発止の闘いを繰り広げる、奇想天外、奇妙奇天烈、棒腹絶倒(ホントにホント)な体験のはじまりだったんだ!
伝説のリゾートブライトンを舞台に、ヘンテコな事件がヘンテコな事件を呼び、珍妙な謎が珍妙な謎を呼ぶ。奇才ロバート・ランキンの個性炸裂、はちゃめちゃ冒険譚『ブライトノミコン』とにかくオモシロイから読んでみて!
(2008年8月5日/2008年9月5日)
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