7月に文庫版『落下する緑 永見緋太郎の事件簿』が好調の《永見緋太郎シリーズ》。シリーズ第二弾も、ライヴ感ある筆致はますます快調です。
唐島英治クインテットで、テナーサックスを担当する永見は、相変わらず音楽以外にはあまり興味を示さない毎日。天才的な発想で、謎を見事に解明する様は、まるで大胆に演奏するフリージャズそのもの。
そんな、永見の見聞をひろげるために、唐島は今日も彼を連れまわします。以下7編を少し紹介しましょう。
ビッグバンドの謎を描く「苦い水」
伝説のブルースシンガーの真相を描く「酸っぱい酒」
民族音楽との共演を描く「甘い土」
唐島憧れのバンドの来日を描く「辛い飴」
野球場でのある事件の顛末を描く「塩っぱい球」
密室からのピアノ消失を描く「渋い夢」
呪いのレコードの真実を描く書き下ろし「淡白な毒」
と、今回は『落下する緑』の各短編のテーマ「色」から「味」になりました。まさに味わい深い作品が連なっています。どうぞお楽しみください。
●収録作品
「苦い水」「酸っぱい酒」「甘い土」「辛い飴」「塩っぱい球」「渋い夢」「淡白な毒」
(2008年8月5日)
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