幻想の紡ぎ手マキリップによる短編集

ホアズブレスの龍追い人(8月刊)
パトリシア・A・マキリップ/大友香奈子訳

「ホアズブレスの龍追い人」
龍が生み出す冬に封じ込められた、黄金と氷の街にやってきた、ひとりの龍追い人。

「音楽の問題」
古い血を誇る大領主のもとに派遣された、若き吟唱詩人がくだす決断。

「トロールとふたつのバラ」
きれいなものに目がない醜いトロールが出合った、世にも美しい白いバラ。

「バーバヤーガと魔法使いの息子」
ロシアの昔話に登場する魔女バーバーヤーガと魔法使いの弟子の若者とのおかしな出会い。

「ドラゴンの仲間」
ドラゴンにさらわれた、女王お気に入りのハープ奏者を捜す五人の女戦士の冒険。

「どくろの君」
砂漠のただなかに建つ塔で、騎士たちの訪れをうける孤独な女、どくろの君。

「雪の女王」
大人になったカイとゲルダの物語。

 ほか「灰、木、火」「よそ者」「錬金術」「ライオンとひばり」「ジャンキットの魔女」「悪い星のもとに生まれて」「心の中への旅」「ヒキガエル」収録。

 いかにも幻想の紡ぎ手マキリップらしい、絢爛たるファンタジー、誰もが知っている昔話や童話のマキリップ版、ちょっと怖い話、心あたたまる話からユーモラスな小品までバラエティに富んだ15の物語。  二度の世界幻想文学賞に輝くマキリップが、綺羅星のごとき15の物語を綴った、不思議と魔法が交錯する贅沢な短編集。

(2008年7月7日/2008年8月5日)