赤ん坊かかえた主婦探偵、町の平和のために奔走する!

ハロウィーンに完璧なカボチャ
レスリー・メイヤー/高田惠子訳

●最新刊『ハロウィーンに完璧なカボチャ』(9月刊)


 ルーシーの夫ビルがかけだしのころに修復した、美しい屋敷が全焼。どうやら放火によるものらしい。焼け跡からは、ルーシーとビルの共通の友人でもある屋敷の女主人の焼死体が発見された。
 ティンカーズコーヴでは、このところ古い建物の火事が妙に続いている。自分も古い農家に住むルーシーは不安を募らせる。
 折しもハロウイーンをひかえて、ティンカーズコーヴは町をあげてのお祭り気分。ルーシーも赤ん坊の世話に大わらわだというのに、うっかり大量のカップケーキを焼く羽目に。おまけに夫はお堅い歴史地区保存委員会の委員に指名され、子供たちはいたずらざかり……。
 大騒ぎのなか赤ん坊をかかえたルーシーは、増えすぎた体重を気にしつつ、またも独自調査を始める。

 今度はハロウィーンが舞台! 主婦探偵シリーズ第三弾。


『トウシューズはピンクだけ』


 愛犬を残し、年老いた元バレエダンサーが消えた。殺人か、ただの失踪か。町の一大イヴェントである、バレエの発表会を間近にひかえ、教え子のバレエ教師をはじめ、関係者たちは気が気ではない。娘たちが発表会に出るルーシーも、気になってしかたがなかった。
 だが、発表会を撮るためのビデオカメラを友人に貸したことから、ルーシーは死体を発見するはめに。しかも友人が容疑者として連行された。無実を信じるルーシーは夫の制止もなんのその、妊娠六カ月の身で、勝手に二つの事件を調べはじめた。
 メイン州の田舎町を舞台にした主婦探偵シリーズ第二弾。


『メールオーダーはできません』


 メイン州の田舎町ティンカーズ・コーヴ。
この町は、アメリカ屈指の通信販売会社カントリーカズンズの拡大にともなって発展してきた。
 町の住民の全員が、ティンカーズコーヴで働いているか、働いたことがあるか、働いている人と知り合いだというくらいなのだ。
 大工の夫と、三人の子をもつ主婦ルーシーも、例外ではなく、カントリーカズンズの夜間電話受付で働く毎日だった。
 ところが、クリスマス目前のある夜、ふと外の空気を吸いに出たルーシーは、とんでもないものを発見してしまった。通信販売会社の経営者、サム・ミラーのBMWにエンジンがかかり、排気管からゴムホースが車内に引き込まれている。
これって、自殺? 金持ちで美人の若い妻がいて、人生順風満帆のはずが、自殺なんてする? ルーシーは、なんだか釈然とせず、夫と三人の子供たち、そしてわざわざやってくる自分の母と夫の父母のための、クリスマスの仕度にてんてこ舞いしながらも、地元の巡査を巻き込んで勝手に事件をつつき始める。
 ところが、肝心の巡査が不審な事故に逢い重体に。これって、もしかして?

 アメリカ合衆国のはしっこを舞台に、元気な主婦が大活躍。季節ごとの愉快な行事と生活感いっぱいの、ライトなミステリ開幕。


(2007年10月5日/2008年9月5日)