第17回鮎川哲也賞受賞作
雲上の楽園を舞台に繰り広げる探偵活劇
驚異の大トリックに注目!
『雲上都市の大冒険』山口芳宏

 雲上の楽園と呼ばれ、近代的な鉄筋アパートが建ち並び、福祉的な設備の整のった北の鉱山街・四場浦鉱山。その平和な街の奥底で、恨みを抱きつつ着々と復讐の計画を進行させている男がいる。その名は座吾朗。「二十年後にかならずここを出て、おまえらを殺してやる」と絶叫しつつ、その怪人ぶりを見せつける。
 昭和27年11月、ついに二十年来の復讐の幕が切っておとされた――。溶接された地下牢から、一晩で姿を消した座吾朗。首なし死体に、遺された血文字。さらに続けて起こる殺人事件に、犯人からの脅迫状。それをのまなければ鉱山街を爆破するという犯人からの要求に街の人々は……。

 黄金期の探偵小説を思わせる怪人に対峙する名探偵は、なんと二人!!
 ホワイトのスーツに身を包み、気障で女たらしの荒城咲之助。“わらしべ長者”のように登場し、独特な義手を持つ真野原玄志郎。名探偵たちは、座吾朗の驚愕の脱出トリックを解き明かすことができるのか。そして雲上の楽園に隠された秘密とは? 北の大地を舞台に、名探偵たちの冒険活劇がいまはじまる。

  ミステリ界の驚異の新人、山口芳宏のデビュー作となります。乞うご期待!

(2007年10月5日)
本の話題のトップへトップページへもどる