美女、美女、美女。出会う女性は美女ばかり!
青春私立探偵シリーズ第六弾
樋口有介『誰もわたしを愛さない』
(2007年9月刊行)

 ナイキのエアーマックス96、ルーズソックス、チョベリバ、ガングロコギャル……、10年前に世間を賑わせた流行の数々。シリーズ開始当初の『彼女はたぶん魔法を使う』では、まだ時代は女子大生ブーム。それが、今回の『誰もわたしを愛さない』では、時代は女子高生ブームへと移り変わっていきます。時代は変われど、永遠の38歳(前作『夢の終わりとそのつづき』は35歳ですが)の青春私立探偵が活躍する《柚木草平シリーズ》最新刊をお届けします。

 娘の加奈子と動物園に行った帰り、月刊EYESの石田貢一に呼び出された柚木。そこで新しい編集者で新担当の小高直海を紹介され、さらに新たな事件のルポを依頼される。どう考えても行きずりの犯行としか思えない、渋谷の女子高校生殺人事件。気乗りがしない柚木は、原稿料のアップにつられて事件を調べ始めると……。
 被害者の同級生の女子高校生や、関係者の美人エッセイスト、そして今回から登場のメガネ美女の小高直海に振り回され、圧倒される。もちろん加奈子や知子、おなじみ吉島冴子にも。味わい深いストーリーに加え、どこかペシミスティックな柚木の姿が味わえる秀作をお楽しみください。

次回配本 『不良少女』(仮) 2007年11月刊行予定
 ファン待望のシリーズ未収録短編集です。お楽しみに。

 最新長編『捨て猫という名前の猫』、「ミステリーズ!」にて好評連載中!
 月刊EYES編集部に寄せられた、「三軒茶屋の女子中学生飛び降り事件を柚木草平に調べさせろ」という不可思議な電話。小高直海にたきつけられて、事件を調査することになってしまった柚木は、亡くなる直前の女子中学生の足跡を追い始める。またもや美女、美女、美女が登場するシリーズ最新作。事件の顛末はいかに――。

(2007年9月5日)