今度は本屋でお騒がせ!?
転職ヒロインの仕事と恋と探偵の行方は
エレイン・ヴィエッツ『死体にもカバーを』
中村有希訳(2007年7月刊行)
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“崖っぷちヒロイン”ヘレン・ホーソーンが帰ってきました。
新たな仕事を見つけ、新たな恋も見つけて。
もひとつおまけに、新たな殺人までしょいこんで……!?
前作『死ぬまでお買物』では、店長やセレブなお得意様がそろいもそろって整形美人、という南フロリダの超高級セレクトショップの仕事でさんざんな目にあったヘレンですが、第2弾となる本書では心機一転、〈ページ・ターナーズ〉なる新刊書店で、書店員として働いております。
しかし、悪運はいっこうにヘレンのもとを去る気配はないようで、新たな就職先でも、やっかいな相談を持ちかける困ったお客さまや、トラブルばかりを引き起こす、もっと困った最低オーナーに悩まされっぱなしの日々。多数登場する実在の作家や本についての言及や、日本とはかなり違うアメリカの書店事情のあれこれ(もっとも、かなり極端なケースのようですが……)をかいま見る楽しさを味わいつつも、ヘレンに同情してしまいます。
それどころか、シリーズ第2弾ということで、災難も大幅にスケールアップ。ようやく仕事に慣れたところで、書店が閉店するらしい、という噂が流れたのを手始めに、居心地満点なアパート〈ザ・コロナード〉でシロアリが大発生するわ、最低オーナーはとんでもない状況下で殺されて見つかるわで、もうたいへん。とどめに、オーナー殺害容疑で逮捕されたのは、まったくもって意外な“あの人”なのでした。
かくして、ふたたび探偵活動を始めるはめになったヘレン。はたして、仕事と恋と探偵の行方やいかに――
第2弾ではありますが、本書から読んでもまったく問題ありません。舞台は一新されているのでまごつくこともなく、ヘレンが抱える、まともな就職ができない“崖っぷち”なワケもちゃんと説明されます。
気に入られましたら、続けて『死ぬまでお買物』もどうぞ。
現在、本国では第6作まで刊行されているユーモア満載のシリーズは、今後も続けて紹介する予定ですので、“転職ヒロイン”ヘレンのさらなる奮闘を、どうぞ応援してください。
エレイン・ヴィエッツ『死体にもカバーを』は、2007年7月21日発売予定です。
(2007年7月5日)
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