健気で一途な少女・小夏が
“長い夏休み”を終えるまで
『朝顔はまだ咲かない 小夏と秋の絵日記』
柴田よしき
(2007年7月刊行)

 高校時代から、マンションの自分の部屋にひきこもって数年、銀座のクラブを経営するママの代わりに食事の準備や掃除、洗濯をして過ごすあたし、鏡田小夏、19歳。要するに主婦業ってこと。ひきこもっていても、いまの時代、食材は生協やネットで注文できるから、特にこまったこともない。あとは、親友の秋がやってきては、恋の話を聞かせてくれる。唯一、近所のおばさんが、いろいろ言うみたいだけど……。
 だから、ちょっとずつ、前に進もうと思う。あたしの部屋から。

 そんな、ひきこもりで、恋や世の中のことに対して“耳年増”な女の子・小夏が、親友の秋が持ち込んでくるトラブルを解決していくことで、自信を持ち、一歩ずつ部屋から飛び出していく感動のストーリー。健気で一途な女の子、小夏の青春を描く、著者渾身のミステリをご堪能ください。

■収録作品
ひまわりの誘惑/黒い傘、白い傘/さくら、さくら/朝顔はまだ咲かない/見えない人/窓を閉めて/新学期――エピローグ――


(2007年7月5日)