こんなわくわくするような書き出しの物語、主人公サリー・ロックハートは海運会社の経営者だった父を船の事故で失い、天涯孤独の身になったばかり。そのサリーのもとに、ある日謎めいた警告の手紙が送られてきた。
「サリ七つの祝福に用人しろ
マーチバンクスが助けになってくれる
チャツム
用人しろ」
間違い字だらけのこの手紙に書かれていた〈七つの祝福〉という言葉がその後の騒動の発端だった……
ヴィクトリア朝のロンドンを舞台に、英文学やフランス語、歴史、美術、音楽に関する知識は皆無だが、軍の作戦、簿記、株式市場の動き、ヒンドゥー人に関する実用知識には堪能という、変わり者の少女サリーがもちまえの機転と勇気で父の死の謎に挑む。
サリーにつきまとう怪しげな老婆ミセス・ホランド、阿片の煙にかすむ幼いころの記憶、そして呪われたマハラジャのルビーの行方……
とにかく面白い、あの〈ライラの冒険〉の著者プルマンの傑作シリーズ開幕!
(2007年4月5日/2007年5月7日)
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