現代のニューヨークを舞台にした
おしゃれでキュートなファンタジー

〈(株)魔法製作所〉シリーズ最新刊
『赤い靴の誘惑』
シャンナ・スウェンドソン/今泉敦子訳 (3月刊行)

 わたし、ケイティ・チャンドラー、自慢じゃないが、恐ろしく普通の女の子。生まれも育ちもテキサスの田舎町。いかにも隣の女の子タイプなのが災いして、ボーイフレンドいない歴更新中だ。ところが、学生時代の親友たちから誘われてニューヨークに出て働くことになって、わたしの生活は一変してしまった……

 現代のニューヨークはマンハッタンを舞台にした、おしゃれでキュートなファンタジー。魔法版『ブリジット・ジョーンズの日記』!


『ニューヨークの魔法使い』

 ニューヨークは変わった街だとさんざん聞かされてはいたが、これほどとは思わなかった。背中に妖精の羽をつけた若い女性や耳のとがったエルフ(?)、教会の屋根にいたりいなかったりするガーゴイル……。いまだに毎日が驚きの連続だ。でも、ニューヨーカーたちは振り返りもしない。変なのはこの街? それともわたし?
 相変わらずボーイフレンドはできないし(実はハイスクール以来、ちゃんと男性とおつきあいしたことがない)、会社の女上司は二重人格とくる。週末ごとのブラインドデートにも、ヒステリー上司の言うなりになるのにもいい加減もううんざりだ。かといって、このまますごすごと故郷に戻るわけにもいかない。
 ところがそんなある日、思いもかけず素晴らしい転職の話が舞い込んできた。え? こんな平凡このうえないわたしに、ヘッドハンティング? でもちょっと待って、うまい話には必ず裏がある。本当にこの話、大丈夫なの……


『赤い靴の誘惑』

 ケイティ・チャンドラー26歳。ニューヨークに出てきて1年あまり。やっと自分の能力をいかせる職場にめぐりあい、どうやら彼氏のいない生活からも卒業の気配。一見順風満帆のようだが、やはり人生そううまくはいかないもの。
 なんと社内でスパイ事件が発生、会社の雰囲気は最悪でとても仕事どころではない。そこで魔法に免疫のあるケイティがスパイ事件の調査を任され、ただでさえ目が回るほど忙しいさなか、感謝祭のお休みにテキサスからパパとママがやってくるという。
 つきあい始めたばかりの、会社の顧問弁護士でイミューン仲間イーサンの協力で、なんとか無事乗り切れると思った矢先、ママが変なものが見える言い出したのだ。どうやらママもイミューンだったらしい。どうする、ケイティ!
 恋に仕事にと、パワー全開の第2巻。

(2007年2月5日/2007年3月5日)