ワリのいいバイトには裏がある!?
気鋭の贈るライトな本格ミステリ・シリーズ
『砂の城の殺人』
谷原秋桜子(たにはら・しょうこ)

 白いヘアバンドがトレードマークの女子高生・美波は、その親友の直海(宝塚歌劇団もびっくりの美少女)とかのこ(ありえないほど広い人脈を持つ大財閥の令嬢)に助けられつつ、行方不明の父親を捜すための資金を必死で稼いでいる。美波の家の隣に越してきた修矢(ギリシャ彫刻かと見紛うのほどの美貌だけれど、口がめちゃくちゃ悪い)は気に食わないけれど、そこに入り浸る武熊さん(インドを第二のふるさとと言ってはばからない気のいいお兄さん)にいろいろとバイトを紹介してもらってもいる。ただ、武熊さんが紹介してくれるアルバイトは待遇はいいのだけれど、なんだかいつもハプニングだらけで……。
 恐がりだけれど健気で一途な美波が奮闘する、清新でライトな本格ミステリのシリーズが桜庭一樹『荒野の恋』、太田忠司『甘栗と金貨とエルム』などの装画を担当したミギー氏によるイラストで装いも新たに登場!


『天使が開けた密室』(2006年11月刊行)

天使が開けた密室
 スペインで行方不明になってしまった父親を捜すための資金稼ぎに、女子高生の美波は日々アルバイトに励んでいる。しかしあるときバイト先のコンビニで、お客様の持っていた桐の箱に入ったお皿を割ってしまって、いきなり60万円の借金を負うことに! そんなとき旅行に出かける武熊さんから、「寝ているだけで一晩5000円」というとってもおいしいバイトを紹介され、一も二もなく飛びついてしまった美波を待っていたのは……死体!? ドラゴンマガジン増刊「ファンタジアバトルロイヤル」に掲載された短編「たった、二十九分の誘拐」も収録。


『龍の館の秘密』(2006年12月刊)

龍の館の秘密
 武熊さんから紹介してもらった今度のバイトは「立っているだけで1日2万円」! でも美波の歓迎会を開いてもらった翌日、目覚めたらなんと京都駅前に!? バイト先の人たちに連れられて、トリックアートの第一人者の館にやってきてしまった美波は、奇妙な溺死の場面に偶然居合わせてしまい……。池の中で縛り付けられたまま溺死した男は、何故助けを求めなかったのか? 未発表短編「善人だらけの街」も併録。


『砂の城の殺人』(2007年3月刊行)

砂の城の殺人
 不可抗力により武熊さんの代わりを務めることになったバイトは、「2日で5万円」という超破格の待遇! 山奥に踏み込んでは廃墟を撮るというカメラマンの撮影助手を請け負うことになった美波だけれども、向かった先の廃墟でミイラ化した死体を発見してしまう。しかもそれが長年行方不明だった、雇い主であるカメラマンの母親だというからさらに驚いてしまって……。さらに次々とその廃墟で起こる殺人。犯人は一体誰? 書き下ろし長編。

(2006年10月5日/2007年3月5日)